5~6年ほど使っていたdeviceSTYLEのコーヒーグラインダー・GA-1Xがかなりいガタついてきたので新しい電動”豆挽き”を購入しようとネットをいろいろ調べていたところ、結局のところまた同じGA-1Xを購入してしまいました。
それほどGA-1Xがよかったのかと言われればそういうわけでもなく、(お手入れのしやすさという点で)消去法でGA-1Xに落ち着いたというのが正直なところです。
(つまり他はもっと手入れが必要というイメージだったということ)
ということでまあまあお手入れのしやすいGA-1Xは実際のところどこまで掃除ができるのか、今回古いGA-1Xを徹底的に分解してみました。
ここではコニカルカッター式のグラインダー(電動ミル)GA-1Xのお手入れを中心に、豆を挽く方式の違いについても軽く触れてみようかと思います。
グラインダー or ミル?
ネットで新しい電動”豆挽き”を調べようとしたところ、これまで筆者は「電動ミル」が正式名称だと思ってたのでそのワードで調べたら新たに「グラインダー」なる単語が出てくるじゃないですか。
じゃあグラインダーと電動ミルの違いって何だろうと調べ始めたところ、結論としては
よくわからない。
どっちも同じみたい。
というのもグラインダーと電動ミルの違いをとうとうと説明してくれてるサイトをいくつか読み進めていってもどこも微妙に内容が異なってましてね。
そんなわけであなたが調べる際は「グラインダー」でも「電動ミル」でもどちらでも問題ないです。
ちゃんと両方の検索結果が出てきますから。
豆の挽き方の違い
コーヒー豆を挽く方式としては大きく分けると3種類あるようです。
プロペラ式
これは2枚の羽根を回して豆を粉砕する方式で、ミキサーなんかについてる2枚刃のようなものです。
メリットはコンパクト設計で比較的安価で買えるということでしょうか。
あとは手入れが簡単ということも。
挽き終わったあとは本体内に挽き粉が散らばるという意見も多いですが、ハケやブラシを使えばなんとかなるでしょう。
デメリットはコーヒー豆が羽に当たった部分だけ(ランダムに)砕かれるので、粉砕された豆の大きさが均一になりにくい(挽きムラが出る)ことだそう。
(使ったことがないのであくまで調べた中でも多かった情報の一部です)
粒の大きさにバラつきが出るとコーヒーの味にも大きく影響するそうです。
これはなんとなくわかります。
あと摩擦熱が発生しやすい構造なので風味の劣化にもつながるそうです。
臼式
こちらは古くからある石臼とほぼ同じ原理で、上下に重なり合った平たい2枚の刃がコーヒー豆をすり潰していく方式。
刃と刃の隙間を広くすると粗挽き、狭くすると細挽きになるという挽き具合の微調整もできます。
メリットは豆を均一の大きさで挽きやすいということ。
どちらかと言えば摩擦熱が発生しにくいことでしょうか。
デメリットは手入れが面倒なこと。
溝の多い刃の部分や挽いた粉が出てくる通路などに挽き粉が溜まりやすく、そこの掃除が面倒らしいです。
コニカル式
筆者が購入したGA-1Xはコニカル式で、固定された刃と回転する円錐状の刃の間を通る豆が切り刻まれて粉状になる仕組み。
刃と刃の隙間が広くなれば粗挽き、狭くなれば細挽きにできるので好みに合わせた微調整が可能です。
メリットは臼式同様、豆を均一の大きさで挽きやすいこと。
摩擦熱も発生しにくいです。
デメリットは臼式同様、お手入れが面倒ということ。
臼式もそうですが、刃が取り外せる機種であれば掃除は比較的ラクでしょう。
でもそういった機種は筆者が調べた限りではホントにレアでした。
手入れが面倒ということは挽いた粉が”見えないところ”に少なからず溜まっていくことが予想されます。
毎日何回か使う方はさほど気にならないでしょうけど、筆者は3日に2回程度の利用頻度。
そのためそのまま放っておくと挽き粉が劣化してしまうのではという”被害妄想”にかられてしまいます。
そうなると次に使う時に(風味も消えて劣化した)前の残り粉が混じって出てくる可能性は大でしょう。
そういうのがコーヒーの味にも影響するんじゃないかとついつい考えてしまう性格ゆえ、できるだけ手入れの簡単なものがほしかったんです。
でもさまざまな機種のレビューを見る限り、手入れの簡単なコニカル式なんて皆無に近い状態。
ただコーヒーの出来(味)に関してはコニカル式がいいという意見が多かったので、まあままコンパクトで価格もそんなに高くない機種はどれかと絞っていったところ結局のところまたぞろGA-1Xに落ち着いたという次第です。
買い替えの理由
GA-1Xを買い替えた理由の一つが挽き具合の調整ができなくなったこと。
こちらが挽き具合を調整するダイヤル。
1~5段階まであって1に近づくほど細かく挽けてエスプレッソのような濃い味わいになります。
5に近づけると粗く挽けてあっさりした味わいになります。
このダイヤルがほとんど動かなくなってしまったんです。
これまではいつも同じ挽き具合だったので滅多に触ることはなかったんですが、あるときちょっと雰囲気を変えてみたいと思って回転させようとしたらうんともすんともいわず。
おそらく本体に残った挽き粉がダイヤルに付着して固まってしまったんでしょう。
もう一つの理由が回転する刃の中心がずれ始めたこと。
回転する刃は本来ならば中心点がずれることなく回るはずなんですが、いつの頃からか中心点が少しだけぐるぐる動いて回るようになってしまいまして。
挽き具合にムラが出るというわけでもなかったのでそのこと自体が何らかの影響を及ぼすことはなかったものの異常と言えば異常です。
これら以外にも部品のあちこちが割れてしまってという理由もありました。
そこで新品を購入したのをきっかけに5~6年ほど使ったグラインダーの中はいったいどんな状態になっているのか、どこまで分解しての掃除ができるかのを確認してみようかと思い立ったわけです。
分解して壊れたとしても新品があるので気分はかなりラクです。
どこまで掃除が可能なのか
ちなみに通常のお手入れで可能なのは、豆を挽き終えたら本体を軽く振って本体の中に残った挽き粉を振り落とすことぐらいです。
挽き粉が出てくる通路にも残りカスがつくので、気になる筆者はハケやエアスプレーでその都度お掃除してます。
(これは無理してやる必要はないです)
ケースが静電気を帯びて粉がくっつくことも少なくないです。
”初号機”のケースはそれほど静電気は発生しなかったので、もしかしたら材質が微妙に変わったのかもしれません。
分解掃除1
これ以降の作業については自己責任にてお願いします。
さていよいよ分解していきます。
まずは4隅の(プラス)ネジを外してカバーを外します。
カバー内に見える小さな蓋ですが、豆を挽いてる時に豆が弾け飛ぶのでそれを防止するための蓋なんだと思います。
ただこの蓋がついてると刃と刃の間に豆が残ってないかどうかの確認がしにくいので筆者はこの蓋を外してます。
この蓋は先ほどのカバーを外してからでないと取れません。
外したカバーを裏返すとネジが見えるのでこれを外せば蓋が外せます。
注意点としてGA-1Xのネジはすべて樹脂部分に取り付けられているので、ネジを締め直すときに力を入れ過ぎると樹脂が割れる危険性大です。
カバーを取り外した状態がこちら。
さらに2ヵ所のネジを外せば黒いカバーも外せてもっと奥が見えるようになります。
黒カバーを外したら青矢印のあたりの空洞部分にエアスプレーでシューシューと。
ノズル付きのエアスプレーなら奥まで届きます。
粉が飛び散るので汚れても平気な場所をおすすめします。
ちなみに普段のお手入れで分解掃除する場合、やれるのはここまでと思った方が賢明です。(※推奨)
それもやるなら数ヵ月に1回程度で充分。毎回分解掃除する必要はありません。
むしろネジ穴の破損につながります。
分解掃除2
コニカル刃の周りにたまった粉も掃除したい場合はさらなる分解が必要です。
ただしここから先は部品を破壊する可能性がとても高く、元に戻す作業もかなり大変なのでおすすめはしません。
コニカル刃を外すには先にダイヤルを外す必要があります。
ダイヤルは矢印の位置にあるツメで固定されており、外すにはマイナスドライバーなどでツメを外側に押し出してやる必要があります。
その際、ダイヤルを少し浮かしながらカチッという外れるときの音がするまでギリギリの力をかけながらツメを外側に押すんですが、このツメが4ヵ所あるのでどうしてもどこか1ヵ所には物理的に過剰な力がかかってヒビや割れが生じてしまいます。
しかも元に戻すとき用にダイヤルの数字の位置を覚えておく必要もあります。
無事(?)外せるとダイヤルと連動した回転盤が見えるようになります。
ただしこの回転盤は外せません。
しかしながら回転盤自体は回せるので、ここでグリグリ回してしまうと先ほど覚えた数字の位置が全く無意味になってしまいます。
筆者はどこまで回せるのかやってみたら無限に回せてしまうので「しまったあ!」と後悔してます。
最終的には(2台目の)新品の刃と刃の空き具合を見ながらそれとほぼ同じくらいの空きに調整して戻しました。
でもちゃんと挽けるかどうかは不安です。(また粉で汚れてしまうので使ってないんです)
最後は青矢印のあたりをラジオペンチなどでつまんで引っ張るとコニカル刃が外れたと記憶してます。
掃除に夢中になってその辺のちゃんとした手順を忘れてしまいました。
あと手や服が真っ黒になってしまって撮影どころではなかったので残念ながら画像もありません。
ちなみにコニカル刃を外したら裏の方に挽き粉がたまりに溜まってました。
硬めのブラシでこすっても落ちないほどこびりついてたので最終的にはお湯につけて汚れを除きました。
それが原因で刃がちゃんと回ってなかった(中心点がずれて回ってた)のかもしれません。
さらに3つのネジを外すと下に伸びてるモーターがくっついた状態でごそっと外せます。
しかしながら分解掃除という意味では別に外さなくても問題なしです。
分解掃除3
底板を外しての掃除もできます。
ただあまり意味はありません。
一応ご紹介だけしますと矢印の4ヵ所のネジを外せば底板は外れます。
外した本体内部にも多少の粉が残ってますがエアスプレーでシューとやるだけで充分です。
ということでこれまでの経験からGA-1Xの日常のお手入れとしては
- 豆を挽いたら本体を軽く振って挽き粉を振るい落とす
- 必要ならコニカル刃とダイヤル周りと挽き粉出口にエアスプレーを吹きかける
- 数ヵ月置きぐらいに当ページで推奨している段階まで分解掃除をする
こんなところでしょうか。
これがさほど面倒ではないという方にはGA-1Xをおススメします。
実際のところ粉は均一に挽かれますし、コンパクトで場所もとらないしコーヒーの味もとてもおいしいですからね。
コメント